トリコロールな猫

猫とつくばと茨城をこよなく愛するnekotricolorのブログです

つくば家電量販店比較〜家電テーマパーク「ケーズデンキ」がある世界

自他ともに認める茨城Lover、@nekotricolorです。

東洋経済オンラインにこんな記事がありました。

toyokeizai.net

ヤマダ電機が一挙に57店舗も閉鎖したという話は最近話題になりましたね。中でも茨城県の店舗の撤退が飛び抜けて多いと。

そこで今回はショッピングモール(その1その2)、ホームセンターに続き、つくば市周辺の家電量販店を比較してみたいと思います。

なお、この記事は「つくばホームセンター比較~山新グランステージが好きです」での山新推しと同じく、はっきりとケーズデンキ推しですのであしからずご了承ください。

まずはいつもの地図。今回は、ケーズデンキを赤、ヤマダ電機を青、コジマを緑、ノジマを黄色と色分けしてみました。

そしていつもの表です。
ぶっちゃけケーズとヤマダの一騎打ちなので、牛久と土浦の面々にも参加していただきました。
コジマはオープン時期と店舗面積が分からず。コジマの店舗面積は近くにあった同じくらいの大きさのマンションのデータから推測した値です。
ノジマもモール内なので面積は分かりませんでした。
グレーは撤退した店舗です。

appliance_stores

以下は私の妄想です。

コジマ、石丸がつぶれたのに生き残っている不思議

失礼なこと言ってすいません>コジマ

つくば市民なら記憶しているであろう、東新井にあった電気街。
南大通りの向こうにコジマがあり、駅側の一区画に石丸電機、サトームセン、C-YOUといった県内外の電気店が軒を連ねていて私が学生の頃は大繁盛していたものの、次々と撤退。2010年3月に石丸電機も撤退し、コジマだけが残りました。

混んでいる感じもしないし、なぜ生き残っているのかよく分かりませんが(甚だ失礼)、企業相手に商売してるのかなぁ。

個人的には、車で入りづらいところにあるのであんまり好きじゃないですね。店内も何となく暗いし。

次々撤退、ヤマダ電機テックランド

一時は県内に24店舗もあったヤマダ電機。今回11店舗が一気に閉鎖されました。ヤマダ電機の売上高は家電量販店の中ではダントツ1位らしいですが、茨城県に限っては惨敗である、といっていいと思います。

東洋経済オンラインの記事に繰り返し出てきますけど、最大の敗因は「車社会」というのを理解していなかったことなんでしょうね。私も直前に書いたコジマの話含め、今までのまとめで「車が入りにくいので行きたくない」みたいなこと何度か書いてますからね。「車で行きやすいか」「駐車場が停めやすいか」は車社会においては最重要事項です。

もう一つ、記事には載ってませんけど、ヤマダ電機にはどうも「人に買う気をなくさせる雰囲気」がある気がしてならない。

なんでしょうね、あの雰囲気

この中では老舗であるテックランドつくば店は家から近いので何回か行ったことはありますが、どうも苦手で。入ると鏡ばりで階段とエスカレーターしかなくて(店舗は2階のみ)。シャンプーとかお菓子とかも売ってて何屋だか分からないし。何か聞きたくても店員さんいないし。あれだけでかいのにあのレジの少なさも理解できないし。とにかくガラーンとしてるし。活気がないし。なんか怖いし。テックランドつくば学園店の方は行ったことがないんですが、繁盛しているんだろうか。

まあ、あの雰囲気はつくば店だけかもしれませんが、いろいろな面で快適なケーズデンキに慣れている茨城県民が、ご新規のヤマダ電機に買い物に行く理由は見当たらないですね。ただ、水戸駅前ではなくTXの駅前にLABIを出したらそれなりに成功したかもしれない、という気はします。TX沿線に都会から越してきて都会に電車通勤している人たちは、車で巨大なケーズに行くより駅前のLABIに行く方を選ぶのではないかと。私も都内に住んでいたときは、車は持っていたものの買い物は基本的に駅の近くで済ませていて、「郊外型の大型店に車で買い物に行く」という文化自体がなかったし。

ま、でも研究学園でも駅前でなくイーアスの向こう側にお店構えてケーズと真っ向勝負に出ちゃいましたからね。ケーズと真っ向勝負て。片腹痛いわ。

テックランド土浦店開店までのすったもんだ

つくばの話じゃないんですが、テックランド土浦店の開店までの話がちょっと面白かったのでご紹介。

テックランド土浦店は、ケーズデンキ土浦真鍋店の開店を受けて店舗面積を大幅に拡大したそうですが、県報にその経緯がしっかりと記録されていました。

この手の大規模小売店を新設する際には、生活環境の保持の観点から、都道府県に届出を出して公告し、市町村や周辺住民の意見を請わなければならないというのが「大規模小売店舗立地法」というもので決められており、茨城県では届出や市町村から出た意見などが県報で公開されています。

時系列に沿って見てみましょう。

テックランド土浦店最初の届出
2012年8月30日、最初の届出。当初の店舗面積は3,634m²、オープン予定日は2013年5月1日だった。
でもケーズデンキ土浦真鍋店はこの年の5月に届出していて、県報にも敷地面積5,928m²って書いてあるんだけどなあ。調べたりしなかったのかな。

テックランド土浦店取り下げ
2012年11月26日に店舗拡大のため取り下げられた。
> 計画変更により,大規模小売店舗内の店舗面積の合計が大きく増加することにより,周辺に与える影響について 再評価の必要性があると考えられるため。

テックランド土浦店再届出
2013年2月21日、店舗面積を5,049m²に拡大して再届出

テックランド土浦店への意見
2013年7月11日、市町村からえらいたくさん意見が出ている。
ケーズ土浦真鍋店への意見と比べると面白いです。排他的なのか、突然店舗を拡大したことに対する不信感なのか、ヤマダの方が手厳しく見える。

テックランド土浦店最後の届出
2013年10月15日、万難を排して届出終了。なのかな。つうかこの時点でもう開店してる。

以上の経緯と最初の表だけ見ると、完全に妄想ですけど、テックランド牛久店に対するあてつけのように同年に超大型のひたち野うしく店をオープンさせたケーズにキレたヤマダが、リベンジでテックランドつくば学園店と土浦店をほぼ同時にオープンしようとしたけど、一枚上手なケーズは土浦に大型店を出すことにしていて、慌てたヤマダは土浦店を急遽拡大、オープンが遅れてその間にすっかりケーズに客が定着してしまい、閑古った牛久店と土浦店が撤退した、という風に読めますね。

モールにあるノジマは買い物ついでに細かいものを

ノジマは個別の店舗は持たずに、イーアスやイオンモールつくばといったモールの一角にお店を構えるスタイルみたいですね。

ここは店員さんが親切で、「スマホをガラケーに変えてネット環境を見直したら月6,000円以上浮いた件」にも書いたイーモバイルや携帯電話の買い替えのときお世話になりました。

大きな家電をノジマで買う気は正直あまりしないのですが、モールでの買い物ついでに電球とかケーブルとか細かいものを買うのに重宝しています。この構図、「つくばホームセンター比較~山新グランステージが好きです」のホーマックと同じだな。ケーズのバカでかさと比べてこじんまりしていて買い物が楽というのも同じだ。

本命ケーズデンキ。負ける要素が見当たらない

さて、真打ちケーズデンキです。

実は2015年7月現在、ケーズデンキって市内はつくば研究学園店しかないんですよね。LALAガーデンの隣にあったつくばセンター店は2009年に閉店、筑穂にあったつくば店は2015年の始めに閉店しています。
つくば研究学園店やひたち野うしく店のような、周辺の超大型店に集約しているみたいです。

とにかくでかい。明るい

入って最初に感じるのは、「広っ。そして明るっ」ということです。
店舗面積はイーアスの10分の1以下ですが、壁がなくて店内を一望できるのでものすごく広く感じる(いや実際8,000m²とか十分広いんですけどね)。で、壁がないし背の高い商品があるわけでもないので、店内には柱以外の「影」がない。街灯がないことでおなじみのつくば市に住む人にとってはもうめちゃくちゃ明るいわけです。店員さんもたくさんいるし、今はあれが安いとかこんなキャンペーンやってますよとか、とにかく活気がある。

そして駐車場ね。487台とか台数だけ見ればこれもイーアスの10分の1程度ですが、平面駐車場のみでこれも仕切りなく店前にズバンとあるのでものすごく広く見える。

別にでかけりゃいいってもんではないと思いますが、でかい分品揃えが豊富で展示スペースも広く、客が多くても駐車場に停められないとか、店内が込み合うとかいうことがなくて、じっくり見て回ることができるのはありがたい。

店員さんが素晴らしい

ケーズは何度も行ってますけど不快な思いをしたことがないです。店員さんは商売っけを前面に押し出すわけでもなく、でも商品知識が豊富ですごく丁寧にいろいろ教えてくれて、メーカーにこだわりなくここはこれがいい、あそこはあれがいい、と根拠を示しつつ選択肢を出してくれる感じ。ど素人が気づかないところとかもきっちり説明してくれる。

あれだけ広い店舗なのに何がどこにあるかきちんと把握しているのも何気にすごいことだと思います。誰にどの商品の場所を聞いても、ちゃんと答えてくれる。

ちなみに、私はアフターサービスはまだ受けたことがありませんが、ケーズデンキはアフターサービス満足度調査5年連続第1位だそうです。調査内容に「電話や電子メール、店頭などでの担当者の対応の丁寧さ」というのがあり、ここからも店頭の店員さんのレベルの高さが伺えます。

家電て大きな買い物だし、設置のために家に来てもらうこともあるので、最初の窓口となる店員さんの印象は大事です。(ケーズはそもそも安いんですけど)多少高かったとしても信頼できそうなところで買いたいのが人情というものです。

ケーズデンキは家電テーマパークである

箱が巨大で、大きいものから小さいものまでいろんな家電が置いてあって、ケーズデンキはなんというか、家電テーマパークの様相がある。別に買い物目的でなくても、ただ歩いて見て回るだけでも面白い。雨の日でも楽しめる家電テーマパーク、ケーズデンキ。あれっなんか山新についても同じようなことを書いたような。山新は「晴れた日に散歩できるホームセンター、山新グランステージつくば」。

逆に電球一個買うためにケーズに行くというのはなんか大げさな気がしちゃいますね。わざわざあそこに行く必要はないだろうと。そういう意味で、ノジマとケーズはうまく棲み分けができてるなあと思います。

まとめ

以上、私個人の感情論ではありますが、私のような一介の客が感じるお店の雰囲気というのは、突き詰めれば社員教育とか店舗の場所、店内の配置などの集大成であるはずなので、同感な人もそれなりにいることと思います。

こうしてまとめてみるとケーズデンキとノジマだけで事足りる構図になっちゃってて、ヤマダ電機は酷すぎて撤退やむなしなところはあるものの、同業他社が入り込む余地がなさげですね。
でもヨドバシ吉祥寺とかヨドバシAkibaのような、家電・IT関連の本屋・家電以外の専門店・レストラン街みたいなのの複合施設ならつくばならいける気がする。余談ですけど、つくばは本屋とレストラン街が少なすぎる。

にしても、今回はホムセン以上に敷地面積等の情報がなくて困りました。ショッピングモールなんかだと、建設会社が実績として載せたりしてるんですけどね。結局、大規模小売店の県への届出のリスト(Excel)から対象の店舗を見つけて当時の茨城県報を検索する、という面倒なことをやらされましたよ。でもそのおかげでテックランド土浦店のオープンまでの歴史が見えて面白かったからよしとしよう。