第二弾は過酷な旅になる予感がしている@nekotricolorです。
さて、前回は準備編をお届けしましたが、今回は実践編です。実際に回ってみてどうだったかを書いてみようと思います。
参拝手順
境内で何をやるのかは、お遍路の本やサイトに一通り書いてあるので簡単な説明のみにしておきます。
- 山門で合掌・一礼
- 手洗い所で身を清める
- 鐘を撞く
- 本堂にてお勤め
- 献灯・献香
- 納札を納める
- 以下を唱える
- 合掌礼拝
- 開経偈
- 般若心経
- 各所のご本尊真言
- 光明真言 x 3
- ご宝号 x 3
- 回向文
- 大師堂にてお勤め
- 納経所にて納経をいただく
- 山門で合掌・一礼
山門で合掌・一礼
山門にて、境内に入る前に一礼します。両脇に仁王像などある場合にはそちらにも一礼。
手洗い所で身を清める
いわゆる手水ですね。左手→右手→口の順に水で清めます。
鐘を撞く
鐘があって、撞ける状態になっている場合には撞きます。参拝後に撞くのは「戻り鐘」といって縁起が悪いそうなので必ずこのタイミングで。
本堂・大師堂にてお勤め
ここも細かくは書きませんが、開経偈・般若心経・光明真言はなかなかスラスラと読めないのでYoutubeで予習しておくことをおすすめします。
開経偈
般若心経
光明真言
ネットで予習できるなんていい時代ですよね。お経はハマると読んでて気持ちいいのでたくさん聴いておきましょう。
なお大師堂は本堂と同じ手順ですが「各所のご本尊真言」のみ省略します。
納経所にて納経をいただく
各寺の御朱印をいただきます。
この時に御影(おみえ、おすがた)と呼ばれるご本尊が描かれた御札をいただけます。2015年5月31日まで、普通の御影に加えて1200年記念バージョンの赤い御影をいただけます。
ちなみに同じ期間、納経帳に1200年記念スタンプを押してもらえます。
納経所は受付時間が7:00〜17:00と決まっているので、これに合わせて行くようにしましょう。16時過ぎたらもう次の寺には行けない、と思っておいた方がいいと思います。
山門で合掌・一礼
お寺を出るときにまた一礼します。
回るペースは
私は2日間で17番札所まで行きました。1日目は10番切幡寺まで、2日目は11番藤井寺から17番井戸寺までです。
1日目は朝8:30ごろホテルを出て、平日だったので渋滞にどハマりし(アホだ)、1番霊山寺に着いたのが9:30近かったと思います。1日目は11番藤井寺まで済ませて、2日目朝イチに難所である12番焼山寺に行こうと思っていたのですが、8番熊谷寺で靴の底が取れるという災難に見舞われ予定が大幅に遅れ、藤井寺は諦めました。
ただまあ、テンションを保つという意味でも、どんなに寺が密集している地域でも1日10寺くらいが限界だろうなと思います。前述の参拝手順の通り、やることが多いんですよ。私なんか普段人と喋ってないので1日目の終わりにはすっかり声が枯れてたし。
参拝を終えた後で写真を撮ったりするとなると1寺30分は見ておいた方がいい感じです。駐車場から境内まで距離があったり、団体さんと鉢合わせたりすると当然もっと時間がかかります。
や、全然焦ってやる必要はないわけですけど、宿泊場所を選ぶのに、1寺どのくらい時間がかかるのか知っておかないといけないんですよね。そして私はそれが全く想像できず、車だし距離は関係ないだろと思って2泊とも徳島市内を選んだわけですが・・・。
宿泊場所
私は徳島市内の徳島県庁近くのホテルに泊まりました。これが大失敗で。
徳島県を回る皆さまに声を大にして言いたい。「車遍路の場合は徳島市街からなるべく離れたところに泊まるべし」と。
いやもーひどいの、渋滞が。吉野川が東西に流れているのですが、これを渡るのにも一苦労。あとね、ちょー走りにくいの。まるで水戸みたい(水戸在住の方すいませんw)。一方通行が多いし、見たことのないような道路標識があったりでかなり怖かったです。
ちなみに、1番〜10番寺が吉野川の北側、11番以降は南側にあるので、1泊目を北側、2泊目を南側にすると良さそうです。東側の海の近くが混むので、なるべく西の内陸側に泊まるのがいいと思います。寺から多少離れた場所でも、市街に泊まるより絶対楽です。
さっき書きましたけど、1日目の朝から渋滞に巻き込まれてかなり疲弊しました。これが霊山寺の近くになるとかなりのどかな感じで、ほんと失敗したなと思いましたよ。次回も徳島スタートですが、18番からなので南の方に泊まる予定です。
途中で出会った人たち
車遍路なのでそれほどたくさんの人と話す機会はなかったのですが、何せ初めてなもんで他のお遍路さんを観察して参考にさせていただきました。特にお札の色が違う方や団体さんを先導している人(先達といって、新人を先導する役の人。本部公認の資格があります。こちらに詳しく書いてあります)のお作法はガン見してました。
菅笠は梵字を前にしてかぶるというのは納経所の方に教えてもらいました。
一人で回っているということもあり、納経所の方にはいろいろ声をかけていただきましたね。焼山寺は山道から行くなというのを教えてくれたのも藤井寺の納経所にいたお坊さんでした(多分どうでしょう班はこの山道から行ってて死ぬ目にあってる)。井戸寺ではお接待だとおまんじゅうを頂きましたよ。
同じタイミングで回っているお遍路さんも、いろいろな方がいました。バス+歩きで回っているという人、夏休みに歩きで回るという学生2人組、車遍路の老夫婦、奥さんの遺影らしき物を首から下げて自転車で回っているおじいさん、そして金のお札を持つおじさんなどなど。服装も様々で、普段着に輪袈裟のみという人から、脚絆に足袋姿の本格的な人まで。
本当にいろんな人が、いろんな理由で巡礼しているのだなあと思いました。
始めてみた感想
思った以上によかったなあというのが最初の感想です。白装束を着てお寺でお経を上げるというのはすさまじい非現実感があります。自分がそんなことをやってるとは信じられない。
なんとなく、境内では携帯を使わない「携帯断ち」をしようと思っていたのですが、そんなことわざわざ考えなくても携帯なんかいじる気も起きなかったです。まあそもそもイーモバイル入らないしね。むしろカメラの存在すら忘れるレベル。
最初はお経を唱えるのもおぼつかず、順番も分からないのでガイドブックと経本をいったりきたりしていたのが、さすがに1寺2回も唱えれば1日目の終わりにはもう慣れてきて、お経に集中することができます。それがなんか無心になれるというか。いいなぁって。
昔に比べれば仕事のストレスはほぼないと言い切れる今の私ですらあれだけ感動したので、東京であくせく働いているときだったらこの経験はもっと衝撃的だっただろうなと思います。だからこそ、今都会で働いていて疲れてるっていう人にはぜひ行って欲しいです。私は茨城で見慣れちゃってますが、風景もいかにも里山という感じでとても良かったですし。
あと、お遍路ってなんとなくお年寄りがやるものだと思われがちですが、あれは若いうちにやっておいた方がいいですよ。車遍路でも体力がいります。
そしてできれば一人でやるのがいいです。実はバスツアーにするか悩んだんですが、結果的に一人でレンタカーで回るということにして良かったなと思ってます。自分と向き合う、とかいうととたんに安っぽくなるけど、自分のペースで、心ゆくまでお経を唱えるのには一人がいいんじゃないかなと。団体で大勢でお経を唱えるのもそれはそれでよさそうではありましたけどね。先達さんが拍子木打ってくれてたし。
とりあえず、来年中には回りきって、一生かけてお札を青にする(5巡目から青になる)くらいはしたいなあと思ってます。
次回はお寺紹介編です。