トリコロールな猫

猫とつくばと茨城をこよなく愛するnekotricolorのブログです

バランスボールに乗りながら猫じゃらしを振り回すエクササイズ

釣れないなー。
https://www.instagram.com/p/BDZt9z1LAvi/

あっ釣れた。
https://www.instagram.com/p/BDZuBimLAvo/

最近バランスボールに乗りながら猫じゃらしを振り回す新しいスタイルのエクササイズを開発しました。「ウィリアンエクササイズ」と名付けることにします。そのうち後ろにひっくり返ってケガする予感。

https://www.instagram.com/p/BDYKBTPrAux/
ゴザでクールダウン

もう少し負荷の高い「ウィリアンズブートキャンプ」も開発したい。

https://www.instagram.com/p/BDYKG2DrAu9/
アチョー

うちに猫がきた

2月の末から3週間のトライアルを経て、ついに猫を引き取りました!!

https://www.instagram.com/p/BDDcrE5rAgd/

NPO法人動物愛護を考える茨城県民ネットワーク、通称「CAPIN」のシェルターに保護されていた猫です。

www.capinew.jp

シェルターではレイトと呼ばれていました。保護当時右目に怪我をしており、摘出手術をして隻眼になりました。

ameblo.jp

新しい名前はウィリアン。プレミアリーグ・チェルシーFCのMFからいただきました。歳はおそらく3歳くらい。正式譲渡となった3月20日を誕生日としようかと。

https://www.instagram.com/p/BDGF3H1rAmB/
悩殺ポーズ

最初はテレビも怖がっちゃってたので無音で過ごしていましたがもう平気。でもこの前水曜どうでしょうのDVD見てたら、あの日付とか場所が出て背景が爆発してる画面あるじゃないですか。あれにビックリして走って逃げてたw

https://www.instagram.com/p/BDFvSy_rAgt/
テレビ見てる

シェルターにいるときはとてもおとなしくて鳴き声も聞いたことがなかったのですが、今はドタバタと走り回ったり仕事から帰るとにゃんにゃん鳴いてお迎えしてくれたり、猫らしくなってきました。

https://www.instagram.com/p/BDS7ESTrArD/
モフる

さんざん撫ぜろ撫ぜろと要求しておいて、満足するとさっさとお気に入りの段ボールキューブに入って寝てしまうさまもとても猫らしくていいと思います。

https://www.instagram.com/p/BC1vUDLLAr7/
もうあっち行ってていいよ

ということでこれからは猫ブログもアップしていきます。この先いろんなことがあるのだろうなあ。

お題「我が家のペット」

新つくば市民に送る、つくばで買い物するならここへ行けリスト

3月4月は移動の多い時期。特につくばは、大学に入学する学生さんや市内の研究機関に就職・異動する人がいるので出入りが激しいのではないでしょうか。

ということで、過去記事を交えつつ独断と偏見でお届けする「つくばで買い物するならここへ行け」リストです。最後に地図を載せてあります。

とりあえずここに

つくば駅(Q't・イオン・西武)

個人的にイチオシなのがつくば駅の駅ビルQ't(キュート)とその目の前にあるイオン・西武。大学から近いので学生さんはなにかとお世話になるのではないでしょうか。

Q'tはいわゆる駅ビルで、洋服も食べ物も雑貨も一通り売ってます。LOFTあり。なんかおしゃれアウトドアショップが増えちゃって、そっち方面に興味がない私にはちょっぴりつまらなくなってしまいましたが、相変わらずバーゲンが全力なのでチェックしておいて損はなし。

イオンは今の時期だと「筑波大寮生歓迎セット」みたいな、冷蔵庫やらこたつやら寮に入る時の必需品をセット販売してたりします。イオンモールつくばに行くのがだるいときはここですね。1階のスーパーは24時までやってるし。

西武は、つくばで「ちゃんとしたもの」を買うときの有力な選択肢。ちょっと高価なプレゼントとか、お礼の品とか、お見舞い用のお菓子とか、その辺が欲しい時はここに行くべきかと。店員さんもいろいろ心得てて、何を買ったらいいかとか相談に乗ってくれてありがたい。あ、3階の珈琲館のホットケーキおいしいです。

あと、西武の6階でやっている○○展は楽しいのが多いのでオススメです。特に年数回やっている北海道物産展は、買ったものをその場で食べられるようなスペースが設けられており、なぜか茨城の地酒・地ビールも売っていたりするので、最高の鮭とばをかじりながらつくば産の日本酒を飲むという贅沢ができます。
【 2017/03/09 追記】残念ながら西武筑波店は2017年2月28日をもって閉店しました。これからちゃんとしたものはどこで買ったらいいのでしょうか。北海道物産展が開催される気配がしたらツイートするボットまで作ったのに・・・(;ω; )

www.creo-sq.com

イオンモールつくば

2ちゃんなんかでネタにされるような「週末はイオンモールに」を地でいく巨大ショッピングモールです。とにかくでかい。映画館もあるし1日いられる場所です。とりあえず暇だったらここに行けばいいんじゃないですかね。
フードコードが巨大で壁側だとコンセントも提供しているので便利です。あ、2階のIT CAFEのホットケーキおいしいです。

tsukuba-aeonmall.com

イーアスつくば

イオンモールつくばができて客足が遠のいたのではないかと思いますが、ZARA、ゼビオ、ユニクロ、無印良品など、イオンモールにはないお店があります。つい最近西武の無印が閉店してしまったので、無印で買い物したい場合はイーアスに行くしかありません。

あとは書店ですね。つくばの老舗の本屋さん「友朋堂」がつぶれてしまったので、いまつくばででかい本屋といえばここの3階に入っているアカデミアではないでしょうか。といってもそこまで大きくありません。研究学園都市なんだから八重洲ブックセンターばりの巨大な本屋が欲しい。

tsukuba.iias.jp

あみプレミアムアウトレット

ちゃんとした洋服はここがいいかと。意外と雑貨やキッチン用品も品揃え豊富です。
ちょっと遠いんですけどね。週末はかなり混むので平日の夜か土曜の開店直後がオススメです。

www.premiumoutlets.co.jp

ここもかなり思い切ったセールをやるのでWebサイトはこまめにチェックしましょう。

家具・家電製品を買う

山新グランステージつくば

ホムセン好き垂涎の巨大ホームセンターですよ。2階の家具売り場には引っ越し直後は足しげく通いました。つくばにはニトリもありますがこっちに先に行ってみたほうがいいです。質はもちろん、値段的にもこっちのほうがお得なことがあります。

www.nekotricolor.com

ケーズデンキ研究学園店

茨城が誇る家電量販店ケーズデンキです。ここもでかい。見るだけで楽しい。家電関係はここ以外必要なし。

www.nekotricolor.com

食材を買う

カスミ

茨城を牛耳っているカスミグループの本社はつくばにあります。
# 今はマルエツ、マックスバリュ関東と経営統合して「ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス」になってます
ココスがやたら多いのもホットスパーが撤退したのも全てカスミのせいです。

市内にいくつも店舗がありますが、学園都市周辺だと学園店、テクノパーク桜店、大穂店でしょうか。イーアス、つくばアッセ、レプサモール、ララガーデン(ちょっと高級志向)にも入ってます。

日々の食材の買い物はカスミで決まりです。県内産の野菜も売ってるし、大抵のものは手に入ります。遅くまでやってる店舗も多いです。私もここの陳列棚に慣れすぎててイオンやヨークベニマルに行くとイライラします。
そういえば昔ケンミンショーかなんかで、「茨城県のスーパーは煎餅コーナーが異常にでかい」というのをやっていましたが本当です。米どころだからですかね?

でも最近つくばは人が増えたせいかどの店舗も車だと入りづらく&停めづらくなってる気がする。特に学園店は周辺の道路も駐車場も狭くて車だとほんと危ないです。テクノパーク桜店も夕方は道がかなり混むので注意。レプサモールは停められないことは絶対ない広々とした駐車場があっていいです。

ここはネットスーパーもあります。12時までに注文すれば当日に届けてくれます。最終便が18:00〜20:00で、留置きできないので平日は厳しめですが。

netsuper.kasumi.jp

スーパーまるも

市内は学園店と二の宮店の2つ。
魚を買うならうおまつかここの学園店かなと。お肉も驚くほど安くなってたりするときがあるので侮れない。

www.super-marumo.com

でもまるもの真骨頂は隣の酒屋の方な気がしますね。どっちにも隣に「お酒のまるも」というのがあって、種類が豊富で茨城の地酒も買えます。余談ですが茨城に来たらゼヒ木内酒造の梅酒と、常陸野ネストビール「ホワイトエール」をお試しください。驚きのうまさです。今は東京でも買えるらしいですが。

www.kodawari.cc

ちなみにお酒ならベガルタ仙台公式スポンサーの「やまや」もいいです。

うおまつ

私の知る限り、2016年3月現在市内の大型スーパーで唯一電子マネーでの支払いができるお店です。名前の通りお魚がメイン。魚はまるもよりこっちの方がいい気がしますが、学園都市からちょっと離れてるのが難点。

www.uomatsu.e-tsukuba.jp

野菜直売所

北海道に次ぐ農業県の茨城県、野菜直売所がたくさんあります。スーパーでも地元野菜は売っていますが直売所の方が絶対おいしい。私は元東京モンなので、野菜のおいしさにはいつも感動しています。
さて、市内で私が行ったことがあるのは「みずほの村市場」「となりの野菜」「野っ食べ」の3つ。

みずほの村市場

経営者がものすごいやり手で、県内にフランチャイズ2店、バンコクにもお店を構えています。

www.mizuhonomuraichiba.com


ここはテレビでも紹介されてて都会から人が買いに来るようなところです。圏央道から1km弱で、外観も「里山の風景」といわれて想像する図そのままで、隣に雰囲気ある蕎麦屋も作ってて、店内には米びつがずらりと並び、その場で精米してくれたり、ほんとすげえよここの経営者は。
でも普段使いにはちょっと大仰な感じがしてしまうので、私は普段は他の2つのうちのどっちかですかね。

となりの野菜

西大通り沿いにあってアクセスよし。野菜の種類・質は野っ食べの方がいいと思いますが、ここの目玉はなんといっても手作りのこんにゃくとぬか漬け。こんにゃくってこんなにおいしいんだ!と思うこと請け合い。ぬか漬けは付き合いのある蕎麦屋さんが作っているものだそうで、最近人気が出ちゃって売り切れ続出らしい。

ここは閉まるのが早いのが難点ですかね。夏期18:30、冬期18:00閉店です。

sanchoku55.com

野っ食べ

JA谷田部が運営する直売所です。このネーミングセンスたまらないよね。

野菜は質も値段も文句なしな上、ここではつくばのブランド豚「ローズポーク」がその辺の豚肉と同じくらいの値段で手に入ります。県内のご家庭では当たり前に作られているらしいメロンの漬物も買える。

学園都市からはちょっと離れてますし、ここも閉まるのが早い(夏期18:00、冬期17:30)ので勤め人が普段使いするのは難しいですが、週末のまとめ買いにどうぞ。

JAつくば市谷田部 農産物直売所

ハナマサ

肉の大量買いならここで。鶏肉は胸、もも、ささみ全部国産で揃います。豚肉は国産が少ない。

一時期はハナマサ、となりの野菜、まるも二の宮店が週末の買い物のゴールデントライアングルでした。でも大量買いはコストコの方がいいのかも?

www.hanamasa.co.jp

コストコ

もはや説明不要のアメリカンな大型スーパーです。イーアスつくばの向こう側、平塚線の方にあります。何かを大量買いするにはいいところ。学生さんには年会費4000円はいたそうだけど、カード1枚で3人まで入れるし元は取れるんじゃないでしょうか。

www.costco.co.jp

普段の買い物はお近くのモールでも

日々の細かい日用品や食材などを買うのに便利なちょっとしたモールもいくつか。

つくばアッセ

うおまつの近くにあるモールです。カスミとケイヨーD2も入ってます。結構大きな100均がある。

tsukuba-asse.com

レプサモール

モールというか店舗の集まりですねここは。カスミのほか、マツキヨ、ダイソー、g.u.、イエローハットがあります。南の方の研究機関にお勤めの方には便利な立地かと。

itot.jp

ヨークベニマル竹園店

ここもマツキヨが入ってて便利です。駐車場もカスミ竹園店に比べれば停めやすい。N's Cafeというネスカフェがやってるカフェがあり、これが大変落ち着けるいい場所なので個人的にお気に入りです。

ただし、ここは駐車場が90分無料(フードコートや服屋の利用者は150分無料)、以降30分500円というふざけた値段設定なのでくれぐれも時間にはご注意ください。

ヨークベニマル/お店ガイド

番外:つくばセンター広場のイベントは要チェック

ここ数年つくば駅にあるつくばセンター広場では、つくば市公共空間活用実証実験の一環で、ビアガーデンやオープンカフェなどが出現することがあります。筑波大生がクラウドファンディングでお金を調達してやってたりも。これがとても楽しい。

市が協力してやっているので変な業者が入ってないし(たぶん)、ケンカしたり周りに迷惑をかけるほどバカ騒ぎしたりする人も見たことがく、家族連れも多くて、本当にほのぼのした空間が繰り広げられています。

去年のおもなイベントのサイトをご紹介します。

http://tohokumatsuri.s2.weblife.me/index.htmltohokumatsuri.s2.weblife.me

www.tsukumaru.jp

www.suntory.co.jp

どのイベントでも市内のバーやレストランもお店を出していて、お手軽にいろいろなものが楽しめるイベントです。今年もやるはずなのでぜひ行ってみてください。

最後に、紹介したお店の地図をどうぞ。

それでは楽しいつくばライフを。

IFTTTのDO ButtonとDO Noteで位置情報つきのライフログをEvernoteに保存する

ライフログをどう取るかというのが最近の自分の課題になっています。

いま一番ライフログに近い使い方をしているのはFacebookです。どこか行ったときにチェックインしたり、いろんな写真をアップしたり、目についたリンクをコメントつきで投稿したり。

で、これをEvernoteに保存するっていうのはIFTTTで割と簡単にできるんですよ。以前そんな話を書きました。

www.nekotricolor.com
3年以上前の話なのにインターフェースがほとんど変わってないって何気にすごい。

さらに、Evernoteに1日1ノートでログを追加していく方法を合わせるといい感じになります。

sofane.net

これ、「同じタイトルのノートが存在する場合は新しい方に保存する」というEvernoteの(IFTTTの?)仕様をうまく使ってて素晴らしい。

ただ、IFTTT経由だとFacebookでチェックインしたときの位置情報は保存されないんですよね。それと、例えばAmazonで買い物したり、役所で何か手続きをしたりといったような、SNSに書くようなことじゃないけどログとして取っておきたいもあります。これは位置情報をつけたいときとつけなくていいときとありそう。

つまり、以下の2つを実現したい。

  1. Facebookでチェックインしたときの位置情報をEvernoteに送信
  2. SNSを経由せず、テキストを位置情報をつけて/つけずにEvernoteに送信

何とかならないかと思っていたところ、IFTTTが素晴らしいアプリをリリースしていました。

1. の解決策:Facebookのチェックインと同時にDO Buttonで位置情報を保存

DO Buttonは「ボタンを押すと○○する」というIFTTTの簡易版のような働きをしてくれるものです。例えばIoTな家電製品の電源をオン/オフするとか、オン/オフされた時間をGoogleスプレッドシートに保存するとか。

ifttt.com

で、このアプリの位置情報へのアクセスを許可すると、ボタンを押すと位置情報を○○に送る、ということができるようになります。

設定の仕方はこちらをどうぞ。位置情報をEvernoteに保存するレシピの設定は「今回は他ユーザーが作成したレシピを使ってみます。」というところから。

gigazine.net

記事の「Create a note with link to your location」というレシピは都度新しいノートを作るものですが、「Append your location information to a note」を選べば既存のノートに追加していくことができます。

http://www.flickr.com/photos/44539043@N05/25245378312

例えばこういう設定にしておくと、

http://www.flickr.com/photos/44539043@N05/25270574831

ボタンを押すと以下のような感じで位置情報を保存できます。

[map] map link on February 29, 2016 at 20:22PM

ひと手間かかっちゃいますが、Facebookでチェックインして投稿したら、ついでにこのボタンを押すようにします。

2. の解決策:DO Noteで位置情報つき/なしのメモを保存

公開範囲を「自分のみ」にしてチェックインしDO Buttonを押す、というのも考えられますが二度手間ですよね。DO Buttonにテキスト入力機能がついていればいいのに、と思ってたらドンピシャなのがDO Note。

ifttt.com

これも前述のGIGAZINEのサイトに設定方法が載っています。Qiitaで書いてる人もいました。

qiita.com

まず位置情報をつける方。「Add to a note in Evernote 」を選び、以下のような設定にしました。

http://www.flickr.com/photos/44539043@N05/25245614312
「LocationMapImageURL」を使うと、Googleマップを貼り付けることもできます。

これで、何か書いてボタンを押すと、以下のようにEvernoteに記録されます。

[memo] 位置情報ありテスト map link on February 26, 2016 at 20:18PM

位置情報をつけない方。これも「Add to a note in Evernote 」を選び、以下のような設定にしました。

http://www.flickr.com/photos/44539043@N05/25363873305

これで、何か書いてボタンを押すと、以下のようにEvernoteに記録されます。

[memo] 位置情報なしテスト on February 26, 2016 at 20:11PM

ま、こっちはFastEverでもいいんでしょうが、私はDO NoteのUIの方が好き。軽いし。

ちなみにこのシリーズにはDO Cameraというのもあって、写真を撮ったら○○に送る、みたいなことができるようです。

最終的には全てのライフログを

いまライフログをちゃんと取ろうと色々試していて、IFTTTでTwitterのログや自分のブログのエントリタイトルなんかもEvernoteに記録できればと思っています。フォーマットを統一して、ソース関係なく単純な時系列で1日1ノートにまとめると、後から読み返したとき面白そうです。

中米エルサルバドルの工業高校でLinuxを教えていた話 〜 どんな授業をやっていたか

「中米エルサルバドルの工業高校でLinuxを教えていた話 〜 学校で驚いたこと」の続きです。

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仕事を探す

エントリのタイトルは「Linuxを教えていた話」になってますし、要請にはなんらかの授業を受け持ってほしいというようなことが書いてありましたが、Linuxの授業をやってほしいという話があったわけではありません。隊員はまず仕事を探す必要があります。

私はまだ学校に他に隊員がいるから「協力隊で来た日本人」として存在を認識されていたものの、よそでは要請を出した人が派遣先からいなくなってたとか、職場で誰も自分が来ることを知らなかったとかいう話はザラです。そんな中、自分が来た意義を見出すために奔走しなければなりません。とはいえ、私はかなり早い時期に見つけられました。幸運だったと思います。

現地の人の仕事を奪わない

個人的に、協力隊員含め、ボランティアで海外に行く人にとって最も重要なのはこれだと思っています。でもこれが実は難しい。

隊員にかかる費用はすべてJICA持ちなので、配属先にしてみれば、2年間無償労働してくれる人材が手に入ることになります。もし私が、今いる教師の授業に口を挟もうとすれば、現職の教師を解雇して私を代わりに据えるかもしれません。エルサルバドルに限らず、実際にそういう話をよく聞きました。コンピュータ技術の場合はシステム開発の要請も多いと以前の記事で書きましたが、行ってみたら仕様だけ渡されて後は丸投げ、完全にタダ働きのプログラマとして扱われた、なんてこともあります。

私が来たせいで同僚が仕事を失うようなことになってはならない。それじゃあ来た意味がないし、綺麗事だけでなく、怨恨で殺されることもあるかもしれません。エルサルバドルの殺人の動機第一位は私怨です(派遣当時)。

同僚の仕事を奪わないように、スキマ産業的なものを探す必要があります。

Ubuntuという啓示

私は派遣前、セキュリティベンダでコンサルやらセミナー講師やらサーバの要塞化(サーバを強固にする設定を施すこと)やらやってました。当時の主流はSPARC Solarisでしたが、BSDやLinuxも一通り触っていました。

当時同僚が授業でやっていたのは、電子回路やPCの組み立てなどの基本的なことのほか、VBによるプログラミングでした。Windowsが主流で、Linuxも一応扱っていましたが、GUIでのインストールや設定作業のみ。そこに私が行ったわけですから「じゃあLinuxを教えるか」ということになりました。

結果、同僚が授業のコマをやりくりして私に週に講義半日、実習半日分のコマをくれることになり、2006年1月から授業をやることに。授業が始まるまで、私は教材を作りつつ、週に一度同僚に教えることになりました。

ディストリビューションはこの前の年、2004年に初リリースされたUbuntu。私がRedHat系でなくDebian系の方に慣れていたということ、デスクトップPCとして使い勝手が良さそうだったこと、なによりもメディアを無料でエルサルバドルに送付してくれることが決め手になりました。当時なにげなくITメディアかなんかを眺めてたらUbuntuの紹介記事が目に入って、神からの啓示かと思いましたよ。

ちなみに2006年1月から、Ubuntuの技術的なブログをはてなダイアリーで始めました。はてなとはこの時からの付き合いです。ちょうど10年ですねえ。しみじみ。

d.hatena.ne.jp

学期や時間割の仕組み

ここでINTIの学期や時間割の仕組みについて書いておきます。

といってもうろ覚えなんですが、1月が年度はじめ、4学期制で11月にExpoと呼ばれる文化祭があり、そこが生徒たちの研究発表の場になっています。11月後半〜12月いっぱいは長いお休み。その他、4月のセマナサンタと8月のアゴスティーニで1週間ほど休みがあります。祝日もあるけど日本よりかなり少ないと思う。
1学期は10週間、うち1週間はテスト期間です。

3年生はExpoで卒業研究を発表することになっていて、最後の学期はその準備に全てあてられます。札幌ドームとか作ってました。

http://www.flickr.com/photos/44539043@N05/24650118809
ちゃんと動く

で、コンピュータコースの場合、実習の授業で用意できるスペースやPCの台数が限られているため、26人の生徒を3つに分けて、3週間ずつローテーションします。つまり、同じ実習を違う生徒に対して3回やると。

講義のほうはハードウェアとソフトウェアの2グループに分かれて1日交代でやります。

授業は、朝7時から夕方5時くらいまで。なんでこんなに長いかというと、学年によって午前午後と別れているから。INTIは国立の学校なので家が裕福じゃない子が多く、授業をどちらかに寄せることで空いている時間に働けるようにしているんです。
でも先生は変わりませんからね。私の授業は午前中だったので、午後は治安の問題もあり17時前には帰っていたのですが、同僚2人は17時までガッツリ授業やった上に夜は大学に通ったりしてました。2人とも同年代だったけど、仕事にも自分の勉強にもとても熱心で、本当に尊敬してます。

プレ授業

2006年1月の授業開始に先駆け、2005年の11月〜12月に4回ほど、2006年に受け持つ予定の生徒に向けて授業をやりました。

どういう経緯でやったんだっけなあと当時のブログを漁ったところ、こんな記述が。

来年から3年生に教えるんだけど、どう考えても0から始めて10週間で終わらせるのは無理そうだったので、休み中にできるといいんだけど、なんて先生にちょっと話したらあっという間に生徒に広がったらしく、「いつ~いつ~?」とせっつかれ、勢いで「じゃあ金曜の午後からね」なんて言ってしまいました。

やだかわいい。私の生徒かわいい。

で、参加者を募ったところ27人中18人が行きたいということで、決行することに。休み中にわざわざ学校に来て勉強したいとかすごいよね。

内容はごくごく基礎の話で、私のマシンにPUTTYでつないでもらって、パスとかパーミッションの説明をしつつcdとかchmodとかやってもらったり。最終回はtelnetでWeb見たりメール送ってみたり。

http://www.flickr.com/photos/44539043@N05/25017730445

当時のブログを読み直すと、生徒たちはとにかく先生の言う通りに、わからなければすぐ先生に聞いて、みたいな感じでしたが(壊れても高くて買い換えられないからそうなってるんだと思います)、私の授業では、自分で考え、壊れたらインストールし直せばいいだけなのでとりあえずやってみて、余裕があったら周りの生徒に教えてあげる、という風になるようにかなり頑張ってたみたいです。なにせ言葉が通じませんから、生徒同士で補佐し合ってくれるととても助かる。と正直に話すと、積極的に教えっこしてくれました。

そんな感じでプレ授業はそこそこうまくいきました。ここで生徒たちとある程度信頼関係を作れたのも大きな収穫でした。

3年生の授業

カリキュラムも教材も1から作って授業やってテストする。全部スペイン語で。
とっても大変でした。

カリキュラムはざっくり以下のような感じ。

  1. 基本的なコマンド
  2. ファイルシステムの基礎
  3. vi
  4. シェルスクリプト
  5. ネットワークの基礎
  6. DNS、Webサーバ構築

カリキュラムはまあ参考になる本もたくさんあるし本格的に授業が始まる前にだいたい決まってましたが、教材づくり、話すこともろくにできないスペイン語を書くって作業は大変でした。授業は講義でも実習でもひたすらUbuntuの画面を見せながら説明。若干の絵心があったのでホワイトボードに絵を描きまくった。

最初の期末テストで全然点が取れない子が何人もいて、成績が悪いと留年になってしまうので救済措置のために毎回小テストやったり。A4一枚という制約でカンペ作らせて持ち込めるようにしたり。GUI環境だとゲームやり始める子がいるのでCUIなランレベルで実習やったり。なんか今じゃ考えられないくらいいろいろやってました。

と授業をやるだけでも死にそうになってるのに、クラスの雰囲気づくりっていうんですかね、相手は高校生、しかも外国人ですから本当に難しかった。講義の方は前述の通りクラスが2つに分かれていて別々の日にやるんですが、明らかに片方のクラスの雰囲気が不穏になっていた時期がありました。スペイン語が話せないアジア人の女ですからね、バカにする子もいて。

でも授業でちょっとざわついたりすると、プレ授業に出ていた子たちが「シッ」てしてくれてとても助けられました。
そして一度同僚が、「彼女は遠くから、自分にはない知識を伝えにきているんだから敬意を払え。真面目に授業を受ける気がないならいますぐ出て行け」と真剣に叱ってくれたことがあり、そこがとどめとなって授業中に騒ぐ生徒はいなくなった。

サラッと書いてますけど、お国柄としてそういうことを大人の男が口に出していうというのはなかなか難しいことで、それをあっさり言ってのける上、それでも壊れない信頼関係をキチンと生徒と築いている同僚たちはほんとすごいです。
同僚たちが私に対して最初から常に敬意を払ってくれていたからこそ、破綻しなかったのだと思います。

まあ不満を抱えていた生徒はいたかもしれませんが、そんなこんなで5月にはみんな静かに授業を聞いて手を動かしてという風になり、教えることに集中できるようになりました。

最後にはDNSサーバも構築し、9ヶ月、なんとかやりきりましたよ。

課外授業

ありがちですけど日本語を教えてました。やっぱりねえ、ジャパニメーションはすごいですよ。同僚は「大学生の頃はドラゴンボールが人生で一番の重要事だった」といってたし。

エルサルバドルに最初に上陸した日本のアニメ、なんだと思います?マジンガーZなんですって。面白いですよねぇ。たまにラジオでOPがかかってたりしました。

で、実はエルサルのコミケに参加した事があります。あるんですよ!コミケが!
コスプレしてる人や同人誌もあって、そこで見たのが犬夜叉、エヴァンゲリオン、サクラ大戦、プリキュア、ハガレン、サイカノ、ヘルシングなどなど。よくまあみんな知ってるわ。

日本語クラスでは、日本語の名刺を作ったり、折り紙を教えたり、とても楽しかったです。

http://www.flickr.com/photos/44539043@N05/24390896113

Linuxカンファレンス

INTIではないんですが、エルサルバドル初のLinuxカンファレンスが2006年10月に行われ、そこでサーバのセキュリティについて喋ってきました。

http://www.flickr.com/photos/44539043@N05/24924437221


クラスにLinuxに並々ならぬ関心を抱いている子がいて、その子が実行委員として活躍していました。彼女については素晴らしい後日談があります。別エントリでじっくりと書く予定。

よく働いた

もうあんなに働くことはないだろうなあってくらいいろんなことをやらせてもらいました。

参加の目的だった、「IT教育を、儲けを考えずに1から全部自分でやってみる」というのは、この上なく理想的な形で実現することができました。

生徒の中には、大学でLinuxの勉強を続けたり、Linuxのエンジニアとして就職したりする子がいて、生徒本人だけでなく親御さんにもとても感謝されたりして、行った甲斐があったなあと思いました。

もちろんいいことばかりではなかったし、相当辛かった時期もあったんですが、今となってはいいことばかりが思い出され、あの2年間をやり切ったことで得た自信は、今の人生でも大きな糧となっています。

中米エルサルバドルの工業高校でLinuxを教えていた話 〜 学校で驚いたこと

中米エルサルバドルの工業高校でLinuxを教えていた話 〜 青年海外協力隊に参加した理由の続きです。

www.nekotricolor.com

派遣先は国立工業技術高校(Instituto Nacional Tecnico Industrial、通称INTI)の電子科コンピュータコースです。首都サンサルバドルにあり、電気科・機械科・自動車科もあって生徒は1000人くらい。生徒の年齢は日本の高校と同じですが、飛び級して入ってくる子もいます(授業料を減らせるので飛び級できる子はどんどんしている)。エルサルバドル唯一の国立の工業高校です。

Webサイトを見たら協力隊が派遣され始めて50周年ということで日本の国旗が。

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Insituto Nacional Tecnico Industrial

学科も当時より増えているようです。

場所は西バスターミナルの近くでものすごく治安の悪いところでした。エルサルバドルには「マラス」と呼ばれるギャング団がいくつかあるのですが、道を挟んでこっちと向こうで2つのギャング団が縄張り争いをしているとかで、たまに銃撃戦があって学校の壁がボコボコになるようなところです。

そんな場所ですが、前述の通りINTIは古くから協力隊員を受け入れており、電子科と電気科に1人ずつ隊員がいました。いずれも講師としてです。
とはいえさすがに女性隊員は行ったことがなかったのですが、多少治安がよくなってきたからということで、初の女性隊員として派遣されました。派遣が決まったのが2004年の2月くらい、実際派遣されたのが2005年5月なので1年以上開きがあったにもかかわらず、女性隊員が来るという噂で学校は持ちきりで、職員室の前に女性用のトイレを作ってくれていました。ただ残念ながらINTIに配属された女性隊員は私が最初で最後のようです。普通に毎日無事に帰れたことをどこかの神様に感謝するレベルの場所だったのでさもありなん。

派遣直後、校内や授業を見学させてもらいました。驚くことがたくさんありました。

http://www.flickr.com/photos/44539043@N05/15287353677
photo by nekotricolor

高い壁と鉄条網、そして鉄格子

まず目につくのは高い壁とてっぺんの鉄条網。これはサンサルバドルの住宅街でもお馴染みなんですが、INTIの場合、出入り口を1つにするという目的もあって(後述)外から中の様子はほとんど見えません。これはもちろん治安の悪さから身を守る対策なんでしょうが、エルサルバドルは1992年まで内戦があったのでそのせいかもしれません。
ちなみに、校内はいいんですが街中でカメラを出すことは危なくてほぼできないので、記事中の写真の多くは車でどこかに行くときに撮ったものです。

校内にはいたるところに鉄格子があります。これも街中の売店なんかと一緒で盗難防止。

http://www.flickr.com/photos/44539043@N05/15287353527
photo by nekotricolor

なんてサラッと書いてますけどものすごくビビりました。ああいう壁は刑務所くらいでしか見たことがなかった。

教室は普通?

数学や国語など一般的な授業をやる教室は、日本とさほど変わらないです。机もイスも小さいですけどね。

http://www.flickr.com/photos/44539043@N05/24324112772
photo by nekotricolor

魔法の言葉(PALABRAS MAGICAS)。おはようとかありがとうとか。こういうの小学校にありましたね。

INTI - palabras magicas

専門科目の授業をやる場所はtaller(タジェール)と呼ばれています。タジェールとは実習のことで、実習の授業も教室もタジェール、でした。

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後ろから前を見るとこんな。壁一面のホワイトボードと、なぜかCD-ROMが天井からぶら下がっています。「キラキラしていてきれいだから」だそうです。

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教室も、教師がいないときは生徒は入れません。

中庭にワニがいる

学校のマスコットキャラがワニなんですよね。だから中庭に本物のワニがいます。

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当初はただの柵だったそうですが、エサ目当てに飛んでくる鳥がワニに食べられるのを見るのが忍びないという理由で、天井にも網を張ったそうです。

校門で武器の所持をチェックする警備員が元山岳ゲリラ

ネタみたいですけど本当です。
生徒たちは校内には透明のカバンしか持ち込めず、校門で武器を持っていないか1人1人チェックされます。このチェックを逃れられないようにするために出入り口が一つなんです。

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で、チェックをするのが2人の警備員さん。1人は家族で敷地内の家に住んでいて、このおじさんが元山岳ゲリラでした。普段はニコニコしてるし、カメラが怖くて触れないお茶目なおじさんですが、生徒の登校時は全くもって話しかけられないレベルの怖さ。銃とか持ってないのに(もう1人は持ってる)もうむちゃくちゃ怖いです。

このおじさんの元ゲリラ仲間が軍隊にいたりして時々軍服を着たまま遊びに来て、銃を抱えてベンチに座って談笑していたりするので、「戦場のつかの間の休息」みたいな絵がたまに見られました。

私服で登校し、校内で制服に着替える

INTIはかなりガラの悪い高校で、校外で制服を着ていると喧嘩を売られたりマラスに勧誘されたりするので、校外での制服の着用は厳禁されていました。エンブレムの入ったベルトなんかもNG。

私服だし生徒の多くはどこからどう見てもガラが悪いので職質を受けることが多かったみたいで、校門出てすぐのところで上半身裸にされて立たされたりしてるのを時々見かけました。

入試の前に裸で校庭を走らせる理由

INTIには小さな校庭があるのですが、そこで裸の男の子たちが走ってるんですよ。

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で、理由を聞いてみたところ、

  • 前述のマラスは体に刺青を入れる
  • ドラッグ中毒だとすぐに息切れする

という2つを同時にチェックするための効率的な方法だそうです。女子はさすがに裸のまま走らせることはないそうですが。

マラスの刺青はすごいです。トップの人がテレビに出ているのを見たことがありますが、耳なし芳一のようでした。
ドラッグ中毒はそれほど多いとは思いませんでしたが、自分のクラスの生徒が一時期やっていたようで同僚ともどもヤキモキさせられました。

全ては校内の生徒を守るため

INTIはガラの悪い地域に建つガラの悪い高校でしたが、徹底して校内いる生徒を守る策が取られていたので、一度中に入ってしまえばそれなりに安全な場所でした。

その代わり素行の悪い生徒の救済措置はほとんどなく、また校外での活動にも一切責任を負いません。特にマラスと関係があると判断されたら即追い出されます。他の生徒を勧誘したり、マラスの仲間が校内に入り込む可能性があるからです。

また、授業で使う機器や教員の私物の管理も徹底していました。最初は「もう少し生徒を信頼してあげても・・」なんて日和見なことを思っていましたが、結局のところきちんと線引きをすることで、生徒に強盗の手引きをさせないとか、出来心を試すような余計なリスクを負わないとか、そういうことだったんだろうなと思います。

外では肩ひじ張ってイキがっている子供たちが、武器を持たずに学校に入り、みんなと同じ制服に着替えることで、「武装解除」しただの一生徒として学校生活を楽しんでいるように見えました。

先生たちも、内戦でドンパチやってる中で授業をしてた猛者揃いなので、生徒がやんちゃしても絶対に引きません。ていうかいつもヘラヘラしてる先生でも生徒を叱るときはむちゃくちゃ怖いです。でもだからこそ秩序が保たれていたので、生徒たちも校内では安心して「子供」でいられたのではないかと思います。

次回は仕事についてのお話です。

中米エルサルバドルの工業高校でLinuxを教えていた話 〜 青年海外協力隊に参加した理由

2005年4月から2007年4月まで、青年海外協力隊に参加して中米のエルサルバドルの国立工業技術高校でLinuxを教えていました。
当時の様子はJOCV@エルサルバドルというブログに書いているのですが、日々の出来事を書いているだけでまとまった読み物になっていないので、こっちのブログにゆるゆると書いていこうかなと思います。
もう10年経っちゃって記憶が薄れる一方なので、ちゃんと書き残しておきたい。

参加した理由

すごく利己的な理由です。IT教育を、儲けを考えずに1から全部自分でやってみたかった。

私は人にものを教えるのが好きです。それに気づいたのは、新卒で入った会社で、2年目の春に新入社員研修の講師を担当した時でした。ネットワークの基礎の基礎を教えるという仕事です。
それまでは自分は人とはあまり関わりたくないタイプの人間だと思っていましたが、自分が教えたことを後輩たちが吸収し、それぞれ違った形で開花させていくのを見るのはとても楽しかったし、後輩は後輩というだけで無条件にかわいいし。

その後も仕事でセミナー講師など担当しましたが、教育はコストがかかる割にお金にならないので、なかなか長期間かけてじっくりやる機会は巡ってきませんでした。

そんなとき、たまたま見た協力隊のWebサイトで(なんでそんなのを見たのかは覚えてない)、学生時代に同じ研究室だった人がケニアに数学教師として派遣された時の体験談を語っているのを目にしました。

そういえば卒業する時に行くっていってたなあと思いつつ、興味を惹かれたのでどんな職種があるのか見てみたところ、「コンピュータ技術」という職種で現地の学校に派遣されてITについて教えるような仕事がありました。

「ボランティアなら思う存分自分のやりたいことができる」と思った私は、2003年の冬の募集に応募しました。

・・・と、ここまでで自分の中ではこれ以上説明不要なんですが、この話をすると「なぜそこでいきなり海外なのか」と質問されることがあります。

これは、「おそらくそういう人材がいないだろう場所で」やってみたいという思いがあったからでしょう。

私はアメリカの同時多発テロの時にペンタゴンのすぐ近くに住んでいて、間近でいろいろなことを見聞きしてきました。

その話は割愛しますが、帰国後、行方不明者を登録できるようなWebサーバを公開した人がいることを知りました。

今でこそGoogleや、国内でも携帯キャリアなんかがその役割を担っていますが、2001年当時はまだそこまで整備されておらず、アメリカ国内のあるエンジニアが構築して公開したものです。

この話を聞いた時に、「ああ、自分にもそういうことができたなあ」と強く思いました。結局のところ、あの時あの地では自分は外国人であり、安全な国に帰る場所がある人間だったからです。
騒ぎの渦中にあってすっかり中の人のような気になっていましたが、よそ者としてもう少し冷静に、自分の持つ知識や技術で何かできたかもしれない、という思いが、あのときに心に根付いたのだと思います。

人材不足・・というかおそらく生活することでいっぱいいっぱいな人が多いであろう途上国では、技術を持ったよそ者にできることはいろいろあるはずだ。そんな思いと、IT教育をやってみたいという願いがリンクして、応募に至ったのでした。

エルサルバドルに決まった経緯

これも不思議な縁でした。

応募時点でどういった要請があるのかはWebサイトで公開されているので、応募する際には職種だけでなく、どの要請に行きたいかというのをいくつか選んで調査票に記入します。その上で、「選んだ要請以外なら行かない」「できればこれらの要請がいい」「どれでもいい」のどれかを選ぶようになっていたと思います。

やりたいのはIT”教育"なのでそれ以外は却下(コンピュータ技術だとシステム開発などの要請も多い)。国については迷いましたが、せっかく行くならのちのち使える言語がいいなあと思って、スペイン語圏かつIT教育という要請をサイトで探したところ、チリのある要請がヒットしたので、それ以外なら行かない、と書いて送りました。
派遣先にはフランス語圏(=ほぼアフリカ)もあるわけですが、アフリカはさすがに・・とビビって中南米が主のスペイン語圏にしました。

協力隊に参加するには、筆記試験と面接と厳しい健康診断に合格する必要があります。
筆記試験についてはさすがに13年も前なのでほとんど覚えていません。なんかエスペラント語みたいなのが出たような。

面接でのやり取りは印象的だったので覚えています。

面接官「nekotricolorさん、チリの要請以外は行かないって書いてるけどどうして?」
私「スペイン語圏でかつIT教育がしたいと思っていて、その条件に合う要請がそれしかなかったのでそう書きました。」
面接官「スペイン語圏でIT教育ができればいいのね?じゃあこの場で調査票をそう修正してもらえますか?」
私「(?)はい、じゃあそうします」

そして結果は合格。派遣先はチリではなくエルサルバドルで、工業高校のコンピュータ科の講師という仕事でした。

エルサルバドルに行くはずだった人が辞退したのか、募集を締め切った後で上がってきた要請なのかわかりませんが、とにかく応募時にはサイトに公開されていなかった要請です。面接の場で調査票を書き換えさせたのはそれが理由だったんでしょうねえ。

結果的にはチリの要請よりもガッツリと教育に取り組めそうだったのでもちろん承諾。
めでたく平成16年度3次隊として派遣されることになりました。

「金儲けを考えずにIT教育をやりたい」「協力隊なら現地での生活費が支給されるので生活の心配をしなくていい」「会社を辞めて行くんだから希望通りの要請に行けないならまた受けなおせばいいと思っている」等々かなり強気な発言をした覚えがあって、よく受かったよなーと思うのですが、「人の役に立ちたい」とかいう曖昧な理由とか変に理想を持ってる人だともたないっていうのがあるのでしょう。

研修と合宿を経てエルサルバドルへ

2004年12月に技術補完研修を受け、2005年1月〜3月に長野県の駒ヶ根にある合宿所で各種予防接種を受けつつ語学その他の勉強をみっちりやりました。

ここでもいろいろありましたが、エルサルバドルの話じゃないんで興味のある方はこちらでどうぞ。

JOCV@エルサルバドル ブログ 技術補完研修
JOCV@エルサルバドル ブログ 派遣前研修

この間に健康診断に引っかかったり語学のテストに合格しなかったりすると行けなくなりますが、無事クリア。
2005年4月、アメリカのヒューストンを経由し、エルサルバドルの首都サンサルバドルに旅立ちました。

最初のひと月は語学研修をしながら生活に慣れる期間で、5月から学校に派遣されました。

次回は学校で驚いたことについてです。ネタみたいだけど本当の話。

www.nekotricolor.com
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